【美美宮殿Vol.1】これが最後のダイエット。痩せホルモン摂取「ミラクル注射」(GLP-1) って何?

2020/02/28

【美美宮殿Vol.1】これが最後のダイエット。痩せホルモン摂取「ミラクル注射」(GLP-1) って何?

ビューティトップ対談「人生100年時代の新ダイエット」

〜これが最後のダイエット。
痩せホルモン摂取「ミラクル注射」(GLP−1)って何?〜

シロノクリニックの総院長、城野親徳氏が、美容界のトップランナーをお迎えして、最新美容についてトーク。
初回は、コスメや美容医療はもちろん、インナービューティにも造詣が深い美容ジャーナリストの安倍佐和子さんをお迎えして、城野総院長が今、はまっている“ダイエット”について対談しました。

1ヶ月で7kgの減量に成功!

安倍さん:

城野総院長、先日、ご一緒させていただいたときより、
随分お痩せになられましたね!

城野総院長:

はい、ここ1ヶ月で7kgも体重が落ちたんです。

安倍さん:

どうりで! シルエットが全然違います。

城野総院長:

5〜6年前まで、実は85kgあったんです。当然、洋服はすべてLLサイズでした。

安倍さん:

そうだったんですね。なぜここまでスリムになられたんですか?

城野総院長:

多くの著名な研究から、カロリー制限は意味がなく、糖質オフダイエットは効果があるといことがわかっていたので、糖質の摂取を1日100gまでにしてみたら、一気に10kg落ちて、続けることで72kgにはなりました。ところが、それ以上は何をやっても痩せない状態が、ここ数年、続いていたんです。

安倍さん:

それが、1ヶ月半で劇的に痩せたんですね。

城野総院長:

そうなんです。ちょうど、クリニックで『ミラクル注射(GLP−1ダイエット)』の導入を検討していて、早速試してみたら、体重がするりと落ちて、最初の2週間で4kg、さらに2週間で3kgも落ちて、今は65kgになりました。体脂肪率も25%だったのが15%に。ぽこっとしたいたお腹も凹み、今では28インチのデニムが履けるようになりましたし、たくさんの服がブカブカで着れなくなってしまったので、処分しちゃいました(笑)。今は大学時代の58kgが目標ですね。

痩せホルモンによって食欲が薄れ、食事量が激減

安倍さん:

すごい効果ですね。日本ではまだ耳慣れない『ミラクル注射(GLP-1ダイエット)』ですが、どのようなものなのでしょうか?

城野総院長:

1日1回、痩せホルモンと言われるGLP-1を自分で注射するダイエット法です。

安倍さん:

自己注射なんですね。痛そうですし、ちょっと怖い気もしますが……。

城野総院長:

針はとても短くて細く、ウエストまわりや太ももなど脂肪が多いところを、ぐっと指でつまんでから刺すので、少しチクッとするぐらいで、ほぼ無痛です。

安倍さん:

ちょっと安心しました(笑)。GLP-1についても詳しく教えてください。

城野総院長:

GLP-1は炭水化物を含む食物を体内にとりこんだときに、小腸から分泌されるホルモンの一種で、血糖値が高いときだけ膵臓に作用して、インスリンを増やす作用があります。本来であれば、すぐ分解されてなくなりますが、分解されないように人工的につくられたのがこの薬で、すでに糖尿病2型の治療薬として製品化されています。米国FDA、欧州EU、韓国KFDAの承認を取得しており、糖尿病の臨床試験の際に著しいダイエット効果を伴ったことから、米国やヨーロッパでは抗肥満薬としてもすでに使われています。

安倍さん:

血糖値をコントロールしてくれるホルモンなんですね。

城野総院長:

はい。それだけではなく、胃の蠕動運動をゆるくすることで胃から腸への食べ物の排出を遅らせたり、脳の食欲中枢に働きかけて食欲を抑えたり、基礎代謝アップ、脂肪分解促進作用など、そのダイエット効果は多岐にわたり、非常に有効なことがわかっています。実際、この治療を始めると、食事量が減ります。今までは唐揚げ5個を余裕で食べられていたのに、たった1個で満腹になる。そもそもお腹が減ったという感覚がなくなったり、薄れるんです。ずっと、糖質を我慢して、小腹がすいたら低糖質のチーズやハムを食べて満たすというように、“お腹がすくのを許さない”感覚があったんだけど、それがなくなりました。次第に胃も小さくなるので、食事量も減りましたね。今はほぼ1日1食です。

ファスティング効果でオートファジー機能が活性化

安倍さん:

1日1食! まるでファスティングに近い状態ですね。実は私、ファスティングには興味があるんです。

城野総院長:

安倍さんは、以前からお変わりなくて、ダイエットの必要はなさそうですが、ファスティングには興味がおありなんですね。

安倍さん:

日頃からインナーケアにも気を遣うようにして、有機栽培の野菜や質のいい食材を取り寄せて、食べるようにしています。会食などの際は別ですが、基本、夜ごはんは糖質抜き。さらにジャイロトニックなどでカラダを動かすようにもしていて、睡眠も6時間は確保するようにしています。そのおかげか30年間、体重は変わっていませんが、ファスティングをされた方の“細胞が活性化するのを感じる”という話をお伺いすると、挑戦してみたいな、と。ただ、低血糖になりそうで躊躇しています。

城野総院長:

このダイエット法なら、血糖値を必要以上に下げないところも安心ですし、食べたいと思う分は食べてもいいんです。それでも食事量が圧倒的に減るので、ファスティングに近い状態になりますし、オートファジーの機能が活性化されます。

安倍さん:

オートファジーは、コスメ業界でも今、注目の的。美肌、エイジングケアという 観点からも効果が期待できますよね。

城野総院長:

オートファジーは、古くなって機能しなくなった細胞や病原菌、毒素などを分解して再利用し、新しいタンパク質に作り変えるという、私たちのカラダに備わっている機能。1日に必要なタンパク質量200gのうち、140gはオートファジーでまかなえるといわれています。ところが今は飽食の時代。オートファジーが働く前に、新しい食べ物がどんどん入ってきてしまうので、古い細胞や病原菌、毒素は分解されないまま溜まる一方なんです。これらは炎症を起こして、さまざまな病気の原因にもなるし、老化を進めてしまうんです。

毎日が快適で、エイジングケア効果も期待できる

安倍さん:

食事の量や回数が減ることで、胃や腸が休まるうえ、本来のオートファジー機能が高まるんですね。

城野総院長:

そうなんです。このダイエットをはじめた最初こそ、エネルギー不足を感じましたが、今はかえってパワーに漲っていて、睡眠の質もかなりいい。ナトリウムの排泄を増やす効果もあるので、むくみも消えて絶好調そのもの。今まではまったく興味がなかったのに、ジムに行って汗を流すことも増えました。

安倍さん:

肌は痩せたりしませんか?

城野総院長:

はい。かえってよくなり、髪にもいい効果が期待できます。

人生100年時代を健康にすごす鍵は、脱・過食

安倍さん:

それは、素晴らしいですね。ただ、これだけイイことづくしだと副作用なども気になります。

城野総院長:

当初は、今までの調子で食べていると吐き気がしたり、げっぷがでたり、お腹が苦しくなったりという症状がありますが、1週間ほどで耐性がつき、症状が落ち着いてきます。また、ダイエット中は、食事の量が減るため、必須ビタミンやミネラルが不足したり、便秘になる可能性があります。サプリメントの併用や水分をたっぷり摂ることをオススメしています。

安倍さん:

誰が使っても問題はないのでしょうか?

城野総院長:

妊娠中の方はやはりNGです。そのほか70歳以上の方、未成年の方、急性膵炎の方、過去にGLP−1の薬剤でアレルギーがあった方はお受けいただけません。また、糖尿病の方、その疑いがある方は、当院ではなく専門医で相談していただくようにお願いしています。そのほか、何か体調に不安がある方は、処方前の医師とのカウンセリング時に相談していただく、という流れになります。また、効かない人も約10%いるのも事実で、3ヶ月で体重の5%の減少がない場合は、継続をお勧めできません。最大で半年となり、もちろんやめれば、徐々に胃が戻る可能性もありますが、『ミラクル注射(GLP-1ダイエット)』を使っている間に意識が高まり、生活習慣が変わることで、ダイエット後の体重をキープしやすいカラダになるはずです。

安倍さん:

先生が強くすすめられる理由がよくわかりました。信頼できる医師のもと、カウンセリングのうえ、指導されたとおりに使うと良さそうですね。

城野総院長:

人生100年時代。美しく元気な方たちのお話をきくと、1日1食など、食べ過ぎないことを大切にしていらっしゃいます。それもふまえて、単純に体重減少だけではなく、肌や髪、体内の臓器まで、エイジングに抗うという意味でも、『ミラクル注射(GLP-1ダイエット)』はオススメできますね。

文:楢崎 裕美

今回の美美ゲスト

安倍佐和子さんの写真

美容ジャーナリスト安倍佐和子さん

化粧品会社、出版社勤務を経て独立。日本初の美容月刊誌『VoCE』(講談社)の創刊に関わり、ビューティエディターとして活動。現在、『MAQUIA』『VoCE』などでの編集、執筆のほか、連載も多数。インパクトのあるビジュアル提案や構成、わかりやすい文章に定評があり、また最新の美容情報の中から、優れた審美眼で選び抜いたイイものを独自の目線で紐解き、新たなトレンドをいち早く発信する第一人者でもある。JPHMA認定ホメオパス、フィトテラピーアドバイザーの資格を持ち、著書に『安倍佐和子のMy BEAUTY Rules 人と比べない美人力の磨き方』(講談社)がある。

今回対談したのはこちらの先生

しろの よしのり 城野親徳総院長

シロノクリニック恵比寿

皮膚科領域のレーザー治療について、国内屈指の症例数を持つ、美容レーザーのパイオニア。 ドクターズコスメを開発・提供する株式会社ドクターシーラボ創設者・名誉会長・商品開発顧問でもあります。